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結納の準備と行い方 ―予算、服装、結納金、結納品、婚約記念品などの準備と当日の流れ

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記事

 

1. 結納とは?

結納は婚約の儀式で、古くは「言い入れ」「結い入れ」とも言われ、両家が飲食をともにし、新しく親族となることを祝う習慣です。その祝いの席で出された酒肴を「結いのもの」と呼んでおり、これが「結納」に転じたとも言われています。かつて結納は当たり前の儀式でしたが、現在では結納を行うカップルは5組に1組ほどで(※)、関東よりも関西の方が結納を重視する傾向があり実施するかどうかについては地域差が大きいと言えます。

また、形式や内容についても地域差がかなりあります。まずは双方の親の意見を聞き、それぞれの地域の慣習やしきたりについて情報収集してみるのがよいでしょう。もし双方の家で意向が分かれた場合は、しきたりを重んじる方にあわせた方が無難です。

※ ぐるなびウエディング「結納をしなくなったカップルの今時の事情」
 http://wedding.gnavi.co.jp/howto/4234/

1-1. 結納の形式

結納の形式には大きく3つあり、ここでは主に女性が相手の家の嫁になる場合の結納について紹介します。男性が婿に入る「婿取り」の場合、基本的な流れや用意する品物などは一般的な結納とほぼ同じですが、男性側と女性側の家の役割が逆になります。女性側の家が男性側に結納をおさめ、男性側から結納返しを贈ります。

<正式結納>
仲人をたて、仲人が使者として両家を行き来し、結納品を取り交わす伝統的な形式。現在はあまり行われていない。

<略式結納>
仲人と両家が一堂に会して、結納品を交換。進行や口上は正式結納と同じように行う。

<簡略式結納>
仲人をたてないで行う。両家が一堂に集まる。現在もっとも主流となっているスタイル。

仲人をたてる場合の留意点

仲人は、婚約・結納から、挙式・披露宴まで立ち会い、結婚する二人の後見役を務める夫妻のことをいう。結婚後もおつきあいを続けていくので、二人が信頼する人に依頼するのが理想的。二人のいずれかのことをよく知っていて、二人を理解してくれ、長いおつきあいのできそうな夫妻にお願いします。

謝礼:正式結納の場合は結納金の1~2割程度、略式結納の場合は結納金の1割程度。結納後数日中に自宅に伺って渡すのが礼儀ですが、遠方の場合は当日に渡しても構わない。結婚式の媒酌人も同じ人に頼む場合は、結婚式の後にまとめてお礼をするのがスマート。

御車代:1~2万円(本来は二人でハイヤーなどを手配するのが理想)

手みやげ:持ち帰る際にかさばらないもの、どちらかの出身地の名産品、または先方の好みを考えて。

酒肴料:祝い膳をもし辞退された場合は二人分の食事代相当、2~3万円包むのが一般的。

1-2. 結納の地域差

日本各地に細かい地域差がありますが、大きくわけて、関東式・関西式があります。九州地方は基本的には関西式ですが、男性側が女性宅に酒一升、鯛1尾を持参する風習があります。また、お茶が重要な結納品のひとつに数えられます。地域によっては結納式が終わった後、ご近所や親戚に結納品をお披露目する「お茶開き」という風習もあります。

<関東式>
男性側、女性側、双方が結納品を贈り合う。このことから、関東では「結納を交わす」という。正式には結納品の数は9品。

<関西式>
結納品を贈るのは男性側のみで、女性側は受書を返す。結納品の数が多く、飾りも豪華になる傾向がある。女性側からは後日、結納金の1割程度の結納返しをするのが一般的。関西では「結納を納める」という。

1-3. 結納の日取り

結納は結婚式の3~6ヶ月前に行うのが一般的。大安、友引、先勝、末広がりの8の日、など縁起を考えた日取りが選ばれることが多い。ただし近年は、日柄にこだわらず双方が集まりやすい休日が選ばれている。時間は、吉事は日中の早いうちにと言われていることもあり、午前11時頃にはじめて午後3時頃にお開きにすることが多い。

1-4. 結納の会場

食事代や会場費用は酒肴料(しゅりょうりょう)といい、女性側が負担するのが一般的。

<正式結納>
どちらかの自宅。食事代一人5千円~1万円程度。

<略式・簡略式>
ホテル、結婚式場:結納パック10万円~20万円程度。「結納パック」「結納プラン」が用意された会場を利用すれば、結納品や祝い膳の準備も任せることができ、当日の進行もサポートしてくれる。結婚式場が決まっていれば同じ会場の「結納プラン」でお願いしたり、結婚式場の候補があれば同じ会場の「結納プラン」を使ってスタッフの対応や会場のアクセスなどをチェックするのも。
料亭、レストラン:室料1万円~2万円程度。食事代一人5千円~1万5千円。

2. 結納の準備と予算

結納にかかる費用のうち、結納品、結納金、結納返し、婚約記念品の費用は男性側と女性側それぞれが負担します。会場費や食事代、仲人への謝礼などは、両家が折半するのが一般的です。自宅で結納を行う場合の準備の負担、祝い膳、遠方からの交通費などの費用も考慮して、両家の負担が均等になるよう心配りをしましょう。

結納に必要な費用の目安

<男性>

  • 結納金 50万円~150万円
  • 結納返し 10万円~50万円
  • 結納品 (関東式)1万円~5万円(関西式)3万円~30万円
  • 婚約記念品 30万円~50万円

<女性>

  • 結納品 (関東式)1万円~5万円
  • 結納返し 10万円~50万円
  • 婚約記念品 5万円~15万円
  • 会場費用(場所によって室料1万円~2万円程度)
  • 食事代(祝い膳) 5千円~1万5千円(一人あたり)

<その他>

  • 介添スタッフへの心づけ(会場費用にサービス料が含まれる場合は不要)
  • 仲人への謝礼、お車代、手みやげ(仲人を依頼しない場合は不要)
  • 記念撮影費
  • 交通費
  • 宿泊費(必要に応じて)
  • 衣装代、着付け(必要に応じて)

2-1. 結納金

結納金は男性から女性に、結納返しは女性から男性に贈られるもので、結婚支度金の意味があります。かつてはお金ではなく帯や反物などが贈られたことから、「御帯料」、「小袖料」という名目で贈られます。結納返しは「御袴料」と言われます。最近では簡略化が進み、結納金を贈らない場合や、はじめから結納返し分を差し引いた金額を贈るケースも多くみられます。

結納金の金額

目安は男性の月給の2~3か月分。100万、90万、80万、70万、50万、といった、大きい位が奇数の金額か、縁起のよい金額にする。100~150万円一般的だが、自分たちの経済状況にあった金額でかまわない。結納金を自分たちだけで用意するのか、それとも両親からも出資してもらうのかによっても金額が変わる。

結納金のない結納

結納といえば「結納金」、というイメージがありますが、両家が合意すれば結納金のない結納も可能です。もともと結納は現金ではなく、衣装やお酒などを贈るものでした。結納金ではなく縁起の良い品物を包んで贈る、婚約指輪を贈るまたは交換するといった結納のケースもあります。その場合は結納返しにも時計など品物を贈りましょう。

2-2. 結納返し

<関東式>
「御袴料(おはかまりょう)」と言って結納金の半額程度を贈る。または、両家の話し合いにより最初から金額を少なくすることで半返しを省くことも。

<関西式>
関西・九州では結納返しはせず、結納金の1割程度を嫁入りのときに持っていくか、結納金の1割程度の額の婚約記念品として返すこともある。

2-3. 結納品

結納品には地域差が大きくあります。9品目、7品目、5品目、3品目、といった品目数の違い、また内容の違いもあります。結納品の品目と数を記した「目録」、結納品を受け取った証の「受書」、も揃えましょう。結納品は、デパートや、ブライダル専門店、結婚式場、インターネットなどで購入することができます。

結納品の相場

関東式:1万5千円~10万円
 関西式:2~30万円

結納品の品目の例

<関東式9品目> 結納品は一つの台にまとめて置く。

  • 長熨斗(ナガノシ) :あわびをのして乾燥させたもの(のしあわび)長寿延命の象徴。長寿や不死の意味がある。
  • 目録書(モクロクショ):結納品の内容を記したもの。
  • 金包(キンポウ):男性からの結納金を「御帯料」「小袖料」、女性からの結納返しを「御袴料」と書いて包む。
  • 勝男節(カツオブシ):鰹節。男性の力強さの象徴。
  • 寿留女(スルメ) :するめ。不時に備える食糧で、生命力の意味。
  • 子生婦(コンブ):昆布。「喜ぶ」に通じ、子孫繁栄を願う。
  • 友白髪(トモシラガ):二束の麻糸。白髪に例えて、長寿を願った品。
  • 末広(スエヒロ):白無地扇子。純白無垢を意味し、また末広がりの繁栄を願う。
  • 家内喜多留(ヤナギダル):柳樽。本来は酒樽を送るが、現在は酒二升分程度の金額を「酒肴料」として包む。

<関西式9品目> 結納品は一品ずつ分けて台に置く。

  • 長熨斗(ナガノシ):関東の「長熨斗」と同じ。長熨斗の上に。
  • 末広(スエヒロ):関東の末広と同じ。
  • 小袖料(コソデリョウ)または帯(地)料:結納金(神戸では「宝金」)。現金が入った祝儀袋の上に松の飾りを置く。
  • 結美和(ユビワ):婚約指輪。
  • 高砂人形(タカサゴニンギョウ):年老いるまで仲睦まじくという願いを込めて老夫婦の人形を贈る。
  • 寿留女(スルメ):関東と同じ意味。
  • 子生婦(コンブ):関東と同じ意味。
  • 松魚料(シュウギョリョウ):鯛の代わりに贈る現金が入った祝儀袋の上に梅の飾りを置く。結納金の一割の半分を入れる。
  • 家内喜多留(ヤナギダル):柳樽。関東の「家内喜多留」と同じ。現金が入った祝儀袋の上に竹の結納飾りを置く。結納金の一割の半分を入れる。

家族書、親族書

しきたりを重んじる場合、家族書、親族書を交換することがあります。最近ではしない場合も多いですが、親族は挙式のときに初対面になりますので、交換しておけばあらかじめ情報をえられ、失礼をしなくてすむというメリットもあります。濃い墨を使って書くのが正式ですが、デパートなどで代筆のサービスを頼むことも出来ます。便せんにペン書き、またはパソコンでもかまわないが両家の書式は揃えるようにしましょう。ホテルなどの結納パックには、必要事項を書き込むだけで済む書式を用意してくれるものもあり便利です。

家族書:奉書紙に2親等までの家族の名前を、続柄を添えて記入。祖父母が同居の場合はこちらに記入する。

親族書:奉書紙に祖父母、既婚のきょうだい、叔父、叔母、の3親等までの名前と続柄、住所を記入。甥や姪については記入しないのが一般的。

2-4. 婚約記念品

結納をする場合には記念品を取り交わします。結納品に含める場合はのしをかけ、含めない場合は結納後に記念品を交換し、両家の家族に披露しましょう。

<男性→女性>

  • エンゲージリング(婚約指輪):以前は「月収の3か月分」という考え方もありましたが、現在では30~40万円程度の価格帯のものが人気。ほとんどの人がダイヤモンドリングを選ぶ。
  • 腕時計、着物、パールのネックレスなど。

<女性→男性>

  • 腕時計、スーツ、靴や鞄など。

3. 服装

最近では、結納そのものが簡略化される傾向なので、服装も準礼装(セミフォーマル)や略礼装が一般的になっています。両家の出席者の装いの格・ドレスコードを揃えるのがマナーですので、予め確認してすりあわせをしておきましょう。

<男性本人>
正礼装:ブラックスーツ
準礼装:ダークスーツ
ネクタイは白かシルバーグレー、ワイシャツは白、靴下と靴は黒。

<女性本人>
正礼装:振袖
準礼装:訪問着やワンピース

<親>
父親:ブラックスーツ(準礼装)など落ち着いた色のスーツ
母親:本人が和装の場合は訪問着(準礼装)、洋装の時はツーピースやスーツにするとバランスがよい。

4. 結納当日の流れ

時間の目安は結納式が20分、その後の会食が2時間程度です。

  • 結納品を準備
    入口から見て男性側が右、女性側が左に飾る場合が多い。
  • 両家着席
    男性側が入室した後に女性側が入室し、全員そろったら両家が挨拶し着席。
  • 挨拶
    男性側の父親が挨拶する。
  • 男性側の結納品を女性側に納める。
    男性の母親が、結納品を飾り台ごと女性本人の前へ運ぶ。関西式の場合は目録のみ渡す。
  • 女性本人が目録をあらためる。
    女性本人、女性の父親、母親の順に目を通したら、女性本人が口上を述べる。
  • 女性側から男性側に受書を渡す。
    女性の母親が贈られた結納品飾り台に運び、受書を男性本人または男性の父親に渡す。
  • 男性本人が受書をあらためる。
    男性本人、男性の父親、母親の順に目を通したら男性本人が口上を述べる。
    (関西式はここで結びの挨拶をして終わり。)
  • 女性側の結納品を男性側に納める。
    女性の母親が、結納品を飾り台ごと男性本人の前へ運ぶ。
  • 男性本人が目録をあらためる。
    男性本人、男性の父親、母親の順に目を通したら、男性本人が口上を述べる。
  • 男性側から女性側に受書を渡す。
    男性の母親が贈られた結納品飾り台に運び、受書を女性本人または女性の父親に渡す。
  • 女性本人が受書をあらためる。
    女性本人、女性の父親、母親の順に目を通したら女性本人が口上を述べる。
  • 婚約記念品のお披露目
    婚約指輪(エンゲージリング)や時計など、婚約記念品があれば、実際に着用してお披露目する。
  • 結びの挨拶
    男性の父親が結びの口上を、女性の父親が返礼の口上を述べて終了。

参考

「大人ウェディングパーフェクトガイド」 大泉書店 2010年11月
ひぐちまり監修「二人らしいおもてなしと準備 結婚の段取りのすべてがわかる本」 学研パブリッシング 2013年2月

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