婚約後に両家で執り交わされる結納は、結婚について正式に約束する役割があります。結納金や贈り物を納めることで両家の結びつきを深める意味を持っています。日本の伝統的な儀式である結納ですが、必要な結納金やその他の費用はどのくらいなのでしょうか。
「結納金」のぶっちゃけ相場と、結納時にかかるその他費用
結納金の相場
結納金は支度金として準備するもので、一般的には男性側が用意をします。男性が養子になる場合などには女性側が結納金を用意する場合もあるようです。決まった金額はありませんが、東日本よりも西日本のほうが平均的に高額となる傾向にあるようです。
「みんなのウェディング」調査によると全国的に最も多い金額は100万円(63%)で、100万というきりのよい金額であること、「一本」「一包み」と表されることから選ばれているようです。次いで50万円(19%)、200万円(4%)、30万円(4%)、300万円(2%)という結果になっています(*1)。
男性の月収の2~3倍を目安とする、きりのいい金額や奇数(50万円など)、末広がりの80万円を選ぶ、などの考え方もあります。また結納金を自分たちだけで用意するのか、それとも両親からも出資してもらうのかによっても金額が変わってくるようです。
結納返しについて
受け取った結納金に対しての結納返し。関東では「御袴料(おはかまりょう)」と言って結納金の半額程度を贈る半返しの習慣があります。関西・九州では結納は迎える側が贈るものだという考えに基づき一般的に半返しはしませんが、関西式の場合には結納金の1割を後日返すこともあります。
半返しの習慣がある地域でも、両家の話し合いにより最初から金額を少なくすることで半返しを省くこともできます。
結納金のない結納
結納といえば結納金、というイメージがありますが、両家が合意すれば結納金のない結納も可能です。もともと結納は現金ではなく、衣装やお酒などを贈るものでした。
結納金ではなく縁起の良い品物を包んで贈る、婚約指輪を贈るまたは交換するといった結納のケースもあります。その場合は結納返しにも時計など品物を贈りましょう。
結納時にかかるその他費用
結納の際には結納金や結納品の他に以下の費用が必要となります。
酒肴料(しゅりょうりょう)
酒肴とは結納後の席で相手をもてなすお酒や肴のことをいいます。昔は男性側が持参したお酒や食材を女性側で料理していたものが、現在では酒肴料へと形を変えました。そのため女性側が負担するのが一般的です。
酒肴料の目安は酒料(家内喜多留)・肴料(松魚料)を合わせて結納金の1割程度。女性の家ではなく料亭やレストランなどの会場で行う場合にはその費用を女性側で負担しますが、両家で折半することもできます。食事代は一人1~2万円が一般的なようです。会場によっては個室費用・席料がかかることもあります。
婚約記念品
結納の際に贈られる婚約記念品として人気があるのは婚約指輪です。以前は「月収の3か月分」という考え方もありましたが、現在では30~40万円程度の価格帯のものが人気です。
記念品なので女性側からも贈り交換します。女性からは腕時計やスーツなどが一般的。前もって希望のものを聞いておくといいでしょう。長く使えるものを選ぶのがおすすめです。
手軽に準備できる結納パックもチェック
結納には結納金や結納品など多くの費用が必要となります。専門店以外にも百貨店などで購入することができますが、ひとつひとつ揃えるのが大変な場合は結納パックや結納セットがおすすめです。結納金・酒肴料・婚約記念品を除き、結納に欠かせないものが含まれています。
二人の出身地域が違う場合の結納は?
結納には地域の特色が強く表れます。そのため出身地が異なる二人の結納の場合には、あらかじめどちらの地域の形式で行うか、話し合って決めておくようにしましょう。結納は二つの家族が結びつき、末永い付き合いと繁栄を願う儀式です。贈り物ですので相手に喜んでいただくことを考え、誠意を込めて受け取る側の形式に合わせて結納を行うことが多いようです (*2)。