結婚する?しない?入籍する?しない?年齢や国籍、性別・・・結婚が多様化しているといわれる今、離婚や再婚にもやはりいろいろなケースがありますが、今回は結婚の裏返しである「離婚」に関する統計をもとにして、現代人の「結婚観」にせまってみたいと思います。
離婚しない現代の結婚世代―「離婚」に関する統計から読む、現代の「結婚」
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実は離婚は増えていない
↓ 離婚数と離婚率
婚姻件数は90年代後半から、2000年代前半に増加したものの、この10年ほどは、数、率(総人口に対する割合)ともに減ってきているのが実情です。意外と離婚をしなくなってきているのがわかる印象的なデータです。
性別・年齢別に見る離婚率の違い、変化が示す結婚に対する考え方
↓ 有配偶者に対する離婚率(%)
年齢別に離婚率を見てみると、夫・妻ともに年齢層が低くなるほど高くなる傾向があります。2014年では、19歳以下の夫の離婚率は48.09%にとどまっている一方で、同じ年代の19歳以下で妻の離婚率が82.74%にも及ぶのが印象的です。若い女性ほど、結婚にも離婚にも、躊躇がないのかもしれません。
いっぽう、20代後半~30代にかけては、1990年から2000年に離婚率の伸びに飛躍があったものの、それ以降はほとんど変化していません。結婚や、子育てがその後の人生設計においてより現実的になってくるほどに、考え方はあまり変わらなくなっているのでしょうか。恋愛や結婚に対する考え方が多様化し、生き方の自由度も高まった現代において、「それでも離婚する」ことを選択する人の数はこのあたりで頭打ち、といえるのかもしれません。
子どもがいたほうが結婚が続くのか?
↓ 親権を行わなければならない子をもつ夫妻別離婚数
離婚の総数に対し、子どもなしか、子どもありか、だったかで統計を見てみましょう。1980年は1/3の45,934件が子どもなし、2/3の95,755件が子どもありの離婚でした。2014になると、子どもなしの離婚は1980年の45,934件に比べると約2倍の92,481件にのぼるいっぽう、子どもありの離婚は、3割り増し程度の129,626件にとどまっています。
増える母子家庭
さらに、離婚の際の子どもの親権は1980年には妻67.2%、夫は25.7%でしたが、2014年には妻84.1%、夫は12.2%と妻が親権を持つ割合が増えています。これに連動して母子家庭数(死別等も含めて)は、2006年には115.1万世帯から2011年には123.8万世帯に増え、父子家庭数は24.1万件から22.3万世帯に減っているという数字があります。(「平成23年度全国母子世帯等調査」より)
まとめ
- 離婚件数、離婚率はこの10年では増えていない。
- 若い世代、特に10代の女性の離婚率が近年劇的に高くなっている。
- 子どもがいることが離婚をふみとどまる理由になっていることが想像できる。