活版印刷(レタープレス)は、活字を1文字ずつ拾って金属や樹脂でつくった版にインクを塗り、紙に押し付ける印刷方法です。日本には明治初期に導入され、1970年代まで商業印刷の主役でしたがその後衰退。しかし近年デジタル化が進むに連れて、逆に文字の浮き出るような質感や手触りなど、手間と時間をかけてプレスすることでできる活版印刷の美しさや味わいに惹かれる人が増えています。結婚式の招待状として、他にはない二人だけのオリジナルデザインの招待状にこだわりたいカップルからの人気も上昇中。とはいえふだんなじみがない印刷方法。どのような仕上がりになるのか、どのようにオーダーしたらいいのか少し難しそうな気がします。
今回は、テーマやコンセプトを決めながら、ウェディングに必要なペーパーアイテムを完全オーダーメイドで作成している「Hozz Design」代表の保泉泉(ほずみ いずみ)さんに、活版印刷の招待状の魅力と、招待状をオーダーする際のコツを伺いました。
活版印刷でつくる結婚式の招待状
「活版印刷」の結婚式招待状の魅力
「活版印刷は昔からありますが、「化石化しつつある」と言われるほど現在では希少な印刷技法です。今では樹脂版が多くなり、鉛版を使って大判(ポストカードサイズ以上)の活版印刷ができる印刷会社も少なくなってきていますが、ホズデザインでは大判の活版印刷の制作も行っています。職人の手によって一枚一枚手作業で刷られる活版印刷は、人の手によって生み出される温かさやインクのかすれ等によって生じる印刷の奥ゆかしさが感じられ、実際に手にした時の感動はひとしおで、心に響くものがあります。また、使用する紙も厚みのある高級紙であるため手触り感も格別です。」(保泉さん)
手触りがよく存在感のある招待状。受け取ったゲストの印象にも残り、素敵な結婚式に招待されたとゲストの気分も高まりそうですね。
ペーパーアイテムづくりを成功させるポイント
ペーパーアイテムは、最初はどのようなものにしたいか具体的にイメージするのが難しいものです。手づくりするにしても、業者に注文するにしても、たくさんの紙やデザインが溢れていて目移りしてしまい、なかなか絞りこむことができません。二人のイメージや結婚式の雰囲気に合っていて、ゲストにも喜んでもらえる招待状をつくるにはどうしたらいいのでしょうか?
「「Hozz Design」では、とにかくすべてをさらけ出してお二人のことを伝えていただくことが重要なポイントと考えています。こちらの「質問リスト」を通してお二人の好みや人となり、ペーパーアイテムで伝えたいメッセージ等をしっかり把握した上で、お二人だけの個性を引き出しデザインできれば沢山意味の詰まった、お二人だけの価値あるデザインが完成します。」(保泉さん)
「また、「Pinterest」で結婚式のイメージボードをつくり、好みのドレスやヘアスタイル、ペーパーアイテムや装飾、ケーキやブーケなど沢山ピンして見せていただければ一番その人の好みが把握しやすくなります。」(保泉さん)
招待状は結婚式を挙げるということを伝える大事なスタートです。ふだんの生活の中で好きなものを抽出していってイメージを膨らませていくと、ペーパーアイテムだけではなくどんな結婚式にしたいのか、二人で作り上げていく結婚式の第一歩になりそうですね。