1996年4月15日から6月24日までフジテレビ系の「月9」枠で木村拓哉と山口智子主演のドラマ「ロングバケーション（ロンバケ）」（Long Vacation）。このドラマから、恋愛に効く金言を拾うシリーズの第2回です。第1回は「90年代の大ヒットドラマ「ロングバケーション」が教科書　あなたを元気にする恋愛栄養学」でした。

「好きなもんは好きなんですよ！好きって気持ちは止められないから、世界で一番偉いんです！！」

このドラマは、冴えないピアニストの瀬名 秀俊（せなひでとし）と、結婚式当日に婚約者が失踪してしまった落ち目のモデルの葉山 南（はやまみなみ）が同居することから始まります。瀬名は大学の後輩である奥沢涼子と恋愛していましたが、涼子は、南の弟である真二にナンパされ、一緒にピアノを弾いて意気投合してしまいます。そして涼子は真二に会いたくて、あるミュージシャンのライブに何日も通います。そんな涼子を南のモデルの後輩である桃子が連れてきて、みんなのいる前で涼子に、真二への気持ちを告白させます。

恋愛のスタートの頃は、誰もが臆病になりがちです。なぜなら、相手に嫌われはしないか、また周囲を傷つけないか。ついつい自分の気持ちをストレートに相手にぶつけることができなくなってしまいます。

桃子の言動は、そのように臆病になっている涼子の背中を押すことになりましたが、このように「世界で一番偉いんだ」と思う位の気持ちをもって行動することが、大事な時は必ずあります。そのチャンスを逃すと、恋は進展しないものです。

「瀬名さん。いい人だけど、いい人で優しいけど、いろんな人にやさしくて、いろんな人ちょっとずつ傷つけるんですよね」

涼子が真二に抱いている恋心を知った瀬名は、真二に涼子の話を聞くように呼びとめます。そして真二と涼子の交際がスタートします。しかし、真二には涼子と知り合う前から、氷室ルミ子（るう）という恋人がいました。るうから、瀬名は、涼子をけしかけたことで、真二が、るうのもとからいなくなったことを聞きます。

瀬名は涼子のことが大好きなのに、涼子の気持ちを察した行動をしたことで、平穏だった真二とるうのカップルにヒビが入ってしまいます。それは同時に、瀬名と涼子の間の恋の終りを自らしてしまう自殺行為でもあったのです。このようなやさしさ、いい人でいるのは、案外多いものではないでしょうか。しかし、その結果自分はもちろん、周囲を巻き込んでいろんな人を無意識に傷つけてしまうものなのです。

ですから恋愛においては、「好き」という気持ちに素直に従って行動するべきです。