所変わればお祝いのしかたもいろいろ。衣装、食べ物、引き出物…日本各地の結婚式を紹介します。 今回は「北海道」。北海道の結婚式は発起人制&会費制。一体どんな結婚式なのでしょうか?
北海道の結婚式
「発起人制」
新郎新婦がお願いした友人・知人たちが「発起人」となり、「結婚祝賀会」を主催します。出欠ハガキの発送者や返信先は「○○さん△△さん 結婚祝賀会 発起人代表□□」となります。両親や親族も「発起人」から招待されるかたちになります。準備や当日のプログラムも「発起人」が中心となって進めます。新郎新婦が主催し、「両家」が中心となってゲストをもてなす「結婚披露宴」とはまったく違いますね。
「会費制」
ご祝儀ではなく会費を支払います。だいたい70人~110人くらいが参加します。出欠ハガキに記載してある会費(10,000円~18,000程度)を受付で直接渡します。ご祝儀袋は要りません。基本的に引き出物はなく、1000円程度の引き菓子が一般的です。両親や親族は新郎新婦に近い席(上座)に座り、発起人が下座になります。
会費制結婚式の由来は、厳しい開拓時代に、周囲の人たちが少しずつお金を出しあって、結婚のお祝いをしていたことといわれています。しかし現在では、会費のほとんどが料理代となるため、会場や衣装、演出料などは新郎新婦の持ち出しになります。そのため北海道以外の地域同様に結婚式の金銭的負担は決して少なくありません。
変わり続ける北海道の結婚式
この発起人制ですが、最近は発起人を友人・知人に頼むと負担になってしまうのではないか、という心配から、「発起人代行」を依頼する人が増えているそうです。ホテルやウェディングプロデュース会社も「発起人代行」プランを出しています。
この発起人制&会費制結婚式。道外の人々にはなかなか理解されず、道内の人と道外の人が結婚するとき、どのようにすればいいのか悩んでしまいます。そのため多くのカップルが、
- 出欠ハガキに北海道の結婚式についての説明を添付する。
- 新郎新婦主催の結婚披露宴を会費制で行う。
- 両親と親族を下座に。発起人制ではふつう、発起人が下座で両親・親族は上座になりますが、「両親が上座なんて!」と道外の親御さんは抵抗がある場合もあるようです。
- ご祝儀を渡したいという人には、会費と別にご祝儀を受け取って引き出物を後日渡す。
など、妥協点を探してさまざまな工夫をしています。
さまざまな地域から開拓民が渡ってきた北海道。北海道における結婚式は、今もさまざまな文化を融合しながら変わり続けています。