日本国憲法第24条には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し・・・」と書かれていますので、成人であれば親の許可なく、いや親が大反対していても、お互いの気持ちだけで結婚することができます。でも実際には、周囲の反対、特に親御様の反対を押し通しての結婚というのは、それ以降の二人の人生にとって、また、生まれてくるだろう子供たちの人生にとってもマイナスになるかもしれません。親御様に反対されるよりも、祝福されて結婚する方が何倍も幸せでしょう。そのためには「戦略」をたてる必要があります。

私はお見合い結婚でした。この場合、間を取りもって下さった方がまず「釣書」(つりがき、つりしょ。関東では『身上書』(しんじょうしょ)ともいう)を双方に渡します。釣書には、本人の現住所、本籍、生年月日、身長・体重、学歴、職歴、趣味、健康状態、家族構成、家族の学歴や職歴、母親の出里などが書かれてあり、写真が添えられています。親御様は、その釣書を見て、本人同士が意気投合するのであれば結婚してもよいという前提のもとで、お見合いをします。親御様がお見合いに同席される場合もあります。お見合いの場合は、親御様の了解の下でおつきあいしているので、親御様へのご挨拶もスムーズにいきます。でも恋愛の場合はどうでしょう。

いきなり「この人と結婚したいです」と連れてこられても、親御様は困るかもしれません。その困惑が「結婚に反対」という方向にいくかもしれません。そうならないように戦略をたてることが必要です。「この人と結婚したいな」と思うようになったら、時間をかけて親御様の同意をとりつけるようにもっていけばいいでしょう。親御様にお付き合いをしているお相手のことを徐々に話していくのはいかがでしょう。ちょうど、釣書に書いてあるようなことを親御様に知らせていけばいいのです。○○大学を卒業して、いま、XX会社で働いているといったことや、3人兄弟の次男であるといったようなことを、日々の会話の中で親御様に話しておくのがいいと思います。

また、連絡は携帯やメールがほとんどだと思いますが、あなたが親御様と同居している場合には、お相手に自宅の固定電話にかけてきてもらうのもいい方法だと思います。勿論、適切な時間にきっちりとした言葉づかいでかけるのがマナーです。親御様が最初に電話に出られた際には、相手の声、話し方などで、好印象をもってもらえるかもしれません。

また、デートをした際には、午前様になるのではなく、22時ごろまでには自宅に帰れるようにしたいものですね。そうすれば、親御様も安心するものです。あなたが一人住まいで、親御様と同居されていない場合はどうしたらいいでしょうか。

電話です。電話で楽しそうにお相手様のことを徐々に話していきましょう。自分の子供が楽しそうに話しているのに心配する親御様はいません。また、一人住まいだと門限はなく、外泊も自由かもしれません。でも、そのような自由があるからこそ、22時までには帰りたいですね。たまたま親御様が土曜の22時に電話をかけてきたとき、あなたが部屋で電話をとってくれればとても安心するものです。特に女性の場合はそうかもしれません。また、遊園地でデートしたときの写メールを送ったり、二人で相談して、親御様の好きそうなものを、お相手様からのおみやげといった形で実家に贈ったりするのもいいかもしれません。

このように、せめて3か月程度の時間をかけて、親御様から祝福されるような行動をすることが親御様への挨拶準備になります。